つい最近、検察庁のNo2である検事長に西川克行氏が就任したそうで、その人が発表したところによると司法取引の導入や取り調べの可視化を進めていきたいそうです。
現在の日本では司法取引は違法です。少し前に渡部篤郎と剛力彩芽がでていたドラマで司法取引をして事件を解決していくドラマがありましたよね。
取り調べの可視化(録音・録画)は脅迫などによる自白を防ぐために有効であると思いますが、司法取引を導入するにあたってのメリットとデメリットって何があるのでしょうか?
[adsense]
そもそも司法取引とはどういったものか?
司法取引とは裁判において検察と被告のあいだで行われる取引で、被告が罪を認める、共犯者を告発する、捜査に協力することで本来与えられるべき刑罰を軽くしたり、罪状を取り下げるというものです。
要するに、事件解決に協力するならちょっとオマケして罪を軽くしてやるよ、ということですね。
司法取引導入のメリット
・裁判費用と時間の節約
裁判の数は多く、一つ一つの案件にたっぷり時間をかけていたらとてもじゃないけど終わっていかない。
司法取引をすることで効率よく有罪を取っていくことができるのでメリットになります。
・さらなる大きな事件解決のキッカケをつかめる
被告が事件捜査に協力することで、さらに大きな事件解決への手がかりがつかめることになります。
例えば違法薬物の流通ルートなどを辿り、大元から壊滅させることが出来たりといったことですね。
・証拠の確立
例えば、「犯人はこいつで間違いないのに必要な証拠が集まりきらない」といった場合に、その証拠を裏付けられるような証言を取れれば犯人検挙となるわけです。
・黙秘権講師の確立を減らせる
「具体的な犯行をしたのはアイツだけどオレも間接的に加担しちゃった」という場合、すべてが明るみになれば自分も罪に問われるため通常は黙秘権を行使してだんまりを決め込みます。
しかし、司法取引が可能になれば罰が軽減されるため証人が重い口を開いてくれる可能性が高くなります。
デメリット
・取り調べの可視化が進まない場合、冤罪が起きやすい
コレがあるから新検事長は取り調べの可視化も進めたいと言っているわけですね。検察官の脅しや証人の知識不足から罪を認めてしまうといったことがあります。
・冤罪だけど死ぬよりはマシ?
例えば、アナタが無実の罪で死刑宣告されている場合、「罪を認めれば死刑じゃなく終身刑にできるけど吐いちゃわない?」と提案されたらどうでしょう?
無実なのだから終身刑さえうける必要が無いのに死刑になるよりはマシと考えて提案を飲んでしまうんじゃないでしょうか?
・偽証
犯人が自分の罪を軽くするために司法取引し、共犯者として無実の人間に罪をなすりつける恐れがあります。取引証言の裏付けは取るはずですが、裏を取りきれず無実の人が犯人に仕立てられてしまうことがあるようです。
すべての人間は法のもとに平等であるか?
まず司法取引という名前から分かる通り、これは取引なので優秀な弁護士を雇える人が有利になるという問題点があります。これでは法の下の平等とはいえないという意見があります。
また、そもそも公正であるはずの司法の場で取引などというものが行われることに問題がある。(公正さに欠ける)
こういったことから司法取引が認められるには高いハードルをいくつも越えていかなければいけません。
司法取引を日本で承認させるためにいろいろな人が裏で悪い事してる、なんて皮肉なことが起きなければいいですね。