「なんか、商売下手だなぁ…」って思った記事を読んだので報告。
僕は自分で商売をやっているワケではないので、ココで指摘することは的はずれなのかもしれないけど、素人目に見ても「なんでそうなるの?」という記事があったんです。
それは”ファッションブランドのブルネロ・クチネリがスーツに力を入れだすぞ!”というものだったんですが……
読んでもらうと分かるのですが、「自分がやりたいこと」を優先して商売を始めると客の気持ちは二の次になるのかな?といった残念感がつたわってくる。
オレは若者にスーツを着せたい!!
上で紹介した記事の中でブルネロ・クチネリの会長はこう言います。
「若い人がスーツを持っていないと聞き、『なぜだ?』『着せたい』と思ったんだ」と語る。
この熱意は別にいい。別にいいというかファッション業界を盛り上げたいという情熱さえ伝わってきます。
近年のモードのカジュアル化の反動から、オシャレな人々は今後スーツという上品なアイテムに手を出すと予想するブルネロ・クチネリ会長はスーツを主力アイテムに持ってこようということです。
「ほうほう、若者にかっこいいスーツを提供しようということですな!」
「気になるお値段は?」
中心価格は税込みで50万円台から。
は!?
いやいや、50万だす若者そんなにいるのか?クラシックならまだしもモードのスーツに50万出すヤツ多くないでしょ……
それとも”おしゃれな若者”は出すというのか?ちなみにこんな感じのスーツになるようです↓
ここで会長の言う”若者”というのがどれくらいの年齢の人たちのことを言っているのかわかりませんが、20代から30台前半くらいだと仮定しましょう。(ちなみに厚労省の定義では34歳までを青年としていました)
ブルネロ・クチネリはイタリアのブランドなので、イタリアの若者の収入を調べてみると、新卒大卒者の多くが一時雇いで、35歳までの平均賃金が手取りで800から1000ユーロだという。
この記事を書いている時点のレートで直すと9.8万円~12.3万円となる。50万のスーツなんか夢のまた夢である。
では、日本の若者はどうか?
大卒で年収200~230万ということなので、月給19万くらいで手取りだと15万くらい。こちらも夢のまた夢と言った感じ。
お金を持っている人は持っているのかもしれないけど、クチネリ会長の言うように若者にスーツ着せたいならせめて30万くらいにしとかないとムリじゃないですかね?
もちろんブルネロ・クチネリはスポーツラグジュアリをテーマにやってきたブランドなので、平民は最初から客ではないのかもしれない。
これまで高価格で売ってきたブランドのメンツというものもあるだろう。価格を下げてはブランド力が落ちてしまうという、ビジネスではスタンダードにある考え方だ。
しかし、これでは会長の言っていることと矛盾が生じる。平民には”商売が下手だ”と思えてならない。
ちなみに楽天ショップでブルネロ・クチネリのスーツを検索してみたところ、20万を切る価格で売っていたが訳アリ品や、一般的な日本人にはサイズが大きすぎる物が多かった。
じゃあ、ブルネロ・クチネリのオンラインショップで見てみると30万後半から50万弱のものがラインナップされている。
うーん、やっぱり”お金持ちのオシャレ感度の高い若者”というのがクチネリ会長の言う若者なんですね……
メンズファッションも競合がひしめくなか、何着売れれば儲けが出るんでしょうか?