見ただけでホラーかと思うタイトルだが、どうやらSFということで分類されているようだ。
なんとなくグチャグチャになった怪人が出てきそうなのが予想できるが実際どうなのか?
原本はなんで40万もの高値で取引されているのか?
……ページを捲ってみた。
ヤフオクで40万!?の理由
この醗酵人間という作品は原本で読むことはほぼ不可能だ。
実際僕も「ミステリ珍本全集03」で読んだのだ。
なぜ、原著で読めないのか? 40万もの高値で取引されているからである。
珍本全集に収められるような作品を40万も出して読むか?って話。
今では、そこまでの高値で取引されているわけではないが素直に珍本全集でよめばいい。
では、なぜこんな高値で取引されているのかというとSFに詳しい人が褒めちゃったからである。
「醗酵人間おもしれぇwwww」と権威が言えばハクが付くのです。
有名Youtuberが紹介した商品に群がるようなものである。
コレって古書収集家が悩むところでもあるらしい。
講演会かなんかの質疑応答コーナーなどで「いま狙っているような本ってありますか?」という質問に素直に答えてしまうと、その本が相場以上に高くなり、自分が古書店などで発見したとしても購入を迷うような値段設定になっているなんてことがあるらしい。
そこを「醗酵人間サイコー!」と言ってしまったからヤフオクでとんでもないことになってしまったようだ。
内容というか雰囲気は古い特撮モノみたいな感じ
作品全体に流れる雰囲気をひと言であらわすなら「古い特撮モノ」って感じ。
ウルトラQ、怪奇大作戦などが好きな人にはすんなり馴染める内容だと思う。
ざっくりとしたストーリーは、醗酵人間こと久里魔五郎(くり まごろう)が父を殺した連中に復讐をするというもの。
父を殺したヤツらはイッパイいるのでストーリーの尺を稼げる。
とうぜん殺人事件なので警察も出てきて探偵小説な雰囲気も加味。
醗酵人間というモンスターがムヤミヤタラに人を殺しまくるような作品ではないのでホラーというジャンルではないのかも。
どちらかと言うとダーティーヒーローみたいなもんですよ、醗酵人間さんは。
作品の中で「海外ではヨーグルトマンと言われている」とあったけどクールジャパンが浸透したいまなら「ナットーマン」でもイケるかなという気もする。
あるいはトウフマン。
SF、探偵小説、古い特撮好きは試しに読んでみると面白いかもよ。
珍本全集03には栗田信の他の作品も入っているので、GWにやることがない人は一気読みでどうぞ!
ちなみに、どこでボクがこの本のことを知ったかというと、「怪書探訪」という本で紹介されているのをたまたま見かけたんです。
醗酵人間以外にもぶっ飛んだ作品を紹介しているので興味があれば。